古墳時代の入門書としておすすめ
「大人の探検 古墳(有楽出版社)」では、日本考古学の第一人者の大塚初重氏とと歴史好きの編集者が、全国の古墳を回りながらさまざまな興味深いエピソードをとても分かりやすく披露してくれます。「歴女」「古墳女子」など近年古墳への人気が高まりつつあるそうですが、本書は古墳時代の入門書としては最適ではないかと思います。フェアな観点から
日本の歴史というと、どうしてもイデオロギーや偏向した見方が入り込んでくることが往々にしてありますが、本書にはそのような心配はありません。フェアな観点で、新しい考古学の知見にもとづく古墳時代の日本の姿が浮かび上がるようになっています。書籍情報
【詳細】
大人の探検 古墳 大塚 初重 (監修) 単行本(ソフトカバー): 192ページ 出版社: 有楽出版社 (2014/6/28) |
読書感想
個人的に印象的だったのが、藤ノ木古墳の埋葬者のエピソードや弥生時代と古墳時代をつなぐ鍵となりそうな楯築遺跡などのエピソードです。もう一つ強く感じたのが、文化財保存の難しさです。これは自然環境や地名などについても同じことが言えると思います。名古屋市内の遺跡や古墳も、破壊されたものや消滅したものが多くあるようです。古墳ブームが保全意識の高まりへとつながってくれれば、と思ったりもしました。
観光ガイドとしても
「大人の探検 古墳」には、名古屋市内の古墳はピックアップされていませんが、観光ガイドとしても面白いと思います。関連記事
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