おすすめスポット
名古屋市緑区の千句塚公園には、松尾芭蕉の生前に建てられたという芭蕉千鳥塚があります。 千句塚公園は旧東海道沿いの、とても見晴らしの良い場所にあり、周辺の史跡も多く、おすすめスポットです。- 千句塚公園
- 芭蕉千鳥塚
- 緒畑稲荷神社
- 鉾ノ木貝塚

千句塚公園
千句塚公園は、緑区の旧東海道沿いの、「三王山」という場所にあります。 三王山は名の通り山で、千句塚公園は三王山の頂上にあります。三王山の地名
三王山の地名は、この地に、山岳信仰の「山王社」があったことに由来するそうです。 この山王社の境内に、天白川の由来となった天白社が祀られていたといいます。山ノ神信仰
千鳥塚から200メートルほど東に離れた場所に、醴泉寺という山ノ神信仰の寺院があります。「山王社」と関係があるのかもしれません。三王山遺跡
この他、千句塚公園には、公園整備中に発掘された、弥生時代後期を中心とする三王山遺跡もあります。
見晴らし、夜景の名所
千句塚公園は、見晴らし、夜景の名所としても知られます。 かつては「年魚市潟(あゆちがた)」または「鳴海潟」と呼ばれる海が、目の前に広がっていました。
市街地を一望できます。
芭蕉千鳥塚
松尾芭蕉の存命中に建てられた唯一の塚で、文字は芭蕉の筆になるものです。 貞享4年(1687)11月に、「星崎の闇を見よとや啼く千鳥」を発句とする歌仙が完結したことを記念したものだそうです。
芭蕉は何度も鳴海を訪問しており、鳴海の歌人たちは芭蕉の弟子となって、鳴海六歌仙と呼ばれています。 「星崎の〜」が詠まれた句会は、この鳴海六歌仙によるものです。

芭蕉千鳥塚は、三王山の山頂部分に建てられています。 こじんまりとしているため、見つけにくいかもしれません。 すぐ近くに、かつての鳴海潟を見渡せる見晴らしのよい場所があり、芭蕉千鳥塚の場所としてふさわしいのではないか、という気がします。

緒畑稲荷神社
三王山の山頂部分の、芭蕉千鳥塚のすぐ西側に、緒畑稲荷神社があります。 室町時代に伊勢の緒畑原から勧請されたことから、緒畑稲荷神社という名前になったようです。
緒畑稲荷神社の入り口は、旧東海道と、北側の二ヶ所あります。 旧東海道の方から入ると、道の左側に石柱があり、そこから細道を登っていきます。 途中に、鳥居や千句塚公園のレリーフがあります。

この入口からは、緒畑稲荷神社、千句塚公園、鉾ノ木貝塚をまとめて訪問できます。
境内の部分には、白龍大神、千代田大神、黒龍大神、などと彫られた石碑がたくさん置かれています。

北側の入り口に、二体の狛狐があります。 この奥に、狐塚と呼ばれる場所があります。祠や石碑などがあります。

全体的に、なにやら歴史を感じさせる謎めいた雰囲気の場所です。
鉾ノ木貝塚
鉾ノ木の地名は、東征から戻った日本武尊が鉾を木にかけて休んだ場所という伝承にちなむそうです。 立て札があるのみで、遺跡は見えません。 縄文前期の代表的遺跡とされ、鉾ノ木式と呼ばれる土器が発見されています。 貝塚があった昔は、この場所が海岸だったことが分かります。
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